荷役用パレット
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説明
本特許は、パレットの薄型化を可能とする構造に関するものである。
<発明の経緯>
発明者は、35年に亘りシートパレットシステムの発展に貢献してきたが、通常パレットとシートパレットの2択状態では顧客のニーズを満足させられないことから、第3の選択肢となる薄型パレットの開発に着手したものである。
通常パレットが120ミリ~150ミリ程度の厚さとなるところ、シートパレットは1ミリ~2ミリ程度の薄いシートをパレットとして機能させるため、貨物の積載効率を落とすことなくパレット輸送化できる優れた商品である。
しかしながら、シートパレットで荷役作業するにはプッシュプル装置という専用のフォークリフトアタッチメントが必要であり、このプッシュプル装置がシートパレットシステム導入の大きな障害となる事例が多数見受けられた。
プッシュプル装置はフォークリフト本体の油圧で作動させる機器のため、フォークリフト本体の改造に費用がかかるうえ、フォークリフトがシートパレット専用となってしまうという運用上の不便があった。更に、プッシュプル装置の操作が複雑であるため、馴染めない作業員を生み出すこともあり、それらマイナス要因の解消が必要であった。
パレット輸送化が必要と考え、通常パレットでのパレット輸送化を検討するが、積載効率が落ちすぎるために断念され、その解決を期待してシートパレットシステムの導入を検討するが、プッシュプル装置のマイナス要因を解消できないため、結局は手荷役作業の継続となる事例が散見された。
通常パレットが120ミリ~150ミリもの厚さになるのは、フォーク爪を抜き差しする空間を構造内に設けているためである。フォークリフトで作業するために必須の空間であるが、容積効率を大きく低下させる要因でもあるため、薄型化にはフォーク爪を抜き差しするのではなく、シートパレットと同様にフォーク爪上に貨物を引き込んだり押し出したりする機構が有効である。
そこで発明者が着目したものが、1990年代後半にヨーロッパで発売されたローラーフォークというフォークリフトアタッチメントであった。ローラーフォークは、フォーク爪自体にローラーコンベヤ構造を内蔵するアタッチメントで、上下2段にローラーコンベヤを配し、フォークリフトの動きとコンベヤの動きをリンクさせたものである。
ローラーフォークはシートパレットの作業も可能だが、床作業のみと作業メニューが限定されるため普及が進まなかった。フォークリフト作業としては、段積み段崩し作業の方が頻度は多く、床作業に限定されたローラーフォークは実用性に欠けていた。
発明者は、フォークリフトの改造が不要なことならびにその操作感覚が通常のフォークリフト作業に近いローラーフォークを高く評価し、課題であった段積み段崩し作業についてはパレット側で工夫することで、ローラーフォーク+薄型パレットの組合せをシートパレットシステムに次ぐ第3の選択肢として顧客提案を始めた。
<本発明の概要>
本発明による薄型パレットは、積載効率の低下し難さと作業性の維持を勘案して30ミリ厚を標準とするが、それに限定される必要はない。
ローラーフォーク上に薄型パレットを引き込むにあたり、最大の障害はフォーク先端部のローラーコンベヤ機構のない部分を如何に通過させるかにある。ある程度ローラーフォーク上に引き込み、重心がローラーコンベヤ上に移れば容易に操作できる。
そこで、発明者は、パレットの接地面側にローラーフォークを挿し入れることが可能となる空間を現出させるために、パレットとなる板状構造物の周縁部にローラーフォーク先端部を収める空間を設け、そこにスロープ状の構造を付与することで、先端部の挿し入れに際しては抵抗がなく、それ以上に先端部が挿し入れられるとローラーフォークの天面部がスロープ状構造を押し上げることでパレット全体が押し上げられる構造を考案した。
本構造は、パレット化された貨物の段積みにおいても、ローラーフォーク挿し入れ口として機能するため、段崩し作業も可能となり、パレット作業の全メニューに対応できるようになった。
<事業展開>
ローラーフォークと薄型パレットという新たなシステムでの提案となるため、自社で顧客を獲得しながら周知を得ることを目標に事業展開を行ってきた。
国内拠点間輸送では、パレットの返送効率が高め易いネスティングタイプ薄型パレットを中心に顧客開拓を進めて来た。
特殊な例としては、倉庫保管用パレットとしての活用がある。倉庫の高さ制限により薄型パレットが必要となり、1年以内の短期使用のためとにかくコストを下げたいとのことで、木製品を提供したことがある。15ミリ厚の木材の組み合わせと使用材料が少なく済んだため、低価格での提供が可能であった。
<特許ライセンスの理由>
当社が当該薄型パレットを開発した目的は、シートパレットに次ぐ第3の選択肢を提供することでパレット輸送化検討を促進させることにある。
国内拠点間輸送は、その9割以上をトラック輸送が担っているが、ドライバー不足により維持が困難となっている。高齢化によりベテランの離職が進む中、若年層が就職を嫌うために充足率が急速に低下すると言われているが、嫌われる理由としては手荷役作業が挙げられている。パレット輸送化は、ドライバー不足の解決に直結する方策であるが、経済性の維持のためには薄型パレットの更なる普及が必要と考える。
しかしながら、当社単独での事業活動では、世に与えるインパクトは限定的であり、かつ当社から製品を購入しなければならないという制限自体が、荷主企業の検討を阻害する要因になりかねないと懸念する。
そこで、特許をライセンスし、薄型パレットの普及を共に進めて頂けるパートナーを広く募集したいと考える次第です。
薄型パレットとしての販売において、荷主企業の信頼を得ることから始める当社に比べ、既に荷主企業とお取引のあるサプライヤー様から提案して頂ければ、より早くご採用頂けるものと期待する。
また、本構造はその形状に特徴があるため、例えば、1パレットあたり1台~2台程度を積載してパレット輸送している大型製品の梱包に底板を使っている場合、パレットを紙ハニカムボード製ワンウェイ用パスボーダーとし、パスボーダーの積載面に製品と勘合する凹部を形成することで底板の機能を備えたパレットが得られる。
この取り組みにおいては、製品底部とパスボーダー積載面の勘合が重要になると考えられるため、梱包材のサプライヤー様が荷主企業と直接協議ができるよう、特許ライセンスが適していると考える。
想定価格(円)
通常実施権許諾契約締結時 20万円/件(デザインアドバイス料として)
ランニングロイヤリティ 200円/枚