再灌流療法の治療効果を判定する方法
案件情報
特許権
ジャンル:
化学・バイオ・薬品・食品
登録番号:
特許第5651890
共通項目
希望取引:
- ライセンス
- 相談可
権利者:
国立大学法人岡山大学
説明
目的
急性虚血状態やそれに対する再灌流治療の治療効果を的確に診断することは、心筋梗塞や脳梗塞といった急性虚血性疾患を治療するために極めて重要である。従来から用いられている方法は、急性期の診断においては陽性率が低かったり、虚血性以外の心不全でも陽性を示すなど偽陽性が多かったりする問題がある。そこで、虚血性疾患に羅患した対象に対して施した再灌流療法の治療効果を、再灌流療法施術後速やかに判定可能な手段を提供する。技術概要
再灌流療法の治療効果を判定する方法に関し、特に、再灌流療法施術の治療効果の判定における、ADAMTS-1の使用に関する。この再灌流治療効果を判定する方法は、(1)再灌流治療を施した対象由来の血液と、ADAMTS(A Disintegrin And Metalloprotease with Thrombospondin motifs)を認識する抗体とを接触させる工程、および、(2)この工程(1)で形成された複合体を検出する工程、とを含む。工程(1)は、急性虚血性疾患に羅患した対象であって、再灌流治療を施した対象由来の血液と、ADAMTSを認識する抗体とを接触させ、複合体を形成させる工程である。工程(2)は、工程(1)で形成された複合体を検出することで、血液中にADAMTSが存在するか否かを判定する工程である。ADAMTSとしては特に限定されないが、なかでもADAMTS-1が好ましい。ADAMTSを認識する抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれでもよいが、モノクローナル抗体が好ましい。図は、急性心筋梗塞患者、安定狭心症患者および健常者より採血を行い、血清ADAMTS-1レベルをELISA法にて測定した結果であり、ADAMTS-1が急性虚血性疾患特異的な診断バイオマーカーであることを示す。